【今日のひとこと】メタフィールド!メタフィールド!

Qayaを引っさげて、Googleがクリエイターエコノミーに乗り込んできた

Googleが用意したストアフロント

2021年12月15日(日本時間:12月16日)、Google はウェブ上にクリエイターがストアを開設してプロダクトやサービスを直接販売できる Qaya という新しいサービスを立ち上げると発表しました。

 

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リリースによれば、Qaya はクリエイターのビジネス活動におけるウェブ全体のハブとして機能するように設計された統合的なストアフロントだということです。

それぞれのソーシャルメディアから Qaya にリンクでき、動画や音楽、ポッドキャストなどを紹介できるほか、他のプラットフォームで販売している製品やサービスをハイライト(キュレーション)することもできます。

決済を含むチェックアウトリンク URL を発行してその場で販売も可能とのこと。

 

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ポートフォリオとコマースが一体化した感じ(画像:The Keyword

 

加えて、クリエイター側の管理画面では、オーディエンスマネジメントと分析が可能になるツールも提供するそうです。ファンとのつながりを可視化し、販売やエンゲージメントのパフォーマンスをすぐに確認できます。表現、販売、コミュニケーション、分析と、現代のコマースプラットフォームとして必要な機能を最初から満たしていますね。

グラフィカルな分析ツール(画像:The Keyword

 

Qaya は Google 純製だけあって、最初から YouTube などの他の Google サービスとも統合されており、アプリなどを介さなくても最初からチャネル間でのクロスプロモーションがかんたんにできるようです。

たとえば、YouTube のグッズ紹介(Merch Shelf)との連動により、自身の YouTube チャンネルの動画に Qaya で掲載している商品を掲載できたりするとのこと。

YouTube のグッズ販売パートナーは全世界で約60ほど(2021年12月時点)ありますが、これらのパートナーは Google とデータ共有の協定を結んでいますので、Merchant Center の要件を満たしにくいオリジナルグッズであっても Google は購買情報まで把握できるということになります。うーん、これは強い。

動画の下に商品が並んでいます(画像:The Keyword

クリエイターに特化したShopifyのようなもの

リリース内でも謳われているように、Qaya はマーチャントではなくクリエイターを支援するストアフロントです。

Our project began with a simple idea: creators are the next generation of entrepreneurs. As the CEOs of their own businesses, they need the same commercial tools as any successful founder.

私たちのプロジェクトは、クリエーターは次世代の起業家である、というシンプルな着想から始まりました。彼らには、自分のビジネスのCEOとして、成功した創業者と同じレベルの商用ツールが必要です。

https://blog.google/technology/area-120/qaya/

 

アーティストやクリエイターを支援するツールやプラットフォーム自体は特に目新しいものではなく、すでに多くの競合が先んじて世に出ています。ですが、Qaya のようにクリエイターがワンストップですべてを統合でき、かつ柔軟性の高いポータル(ランディングページではない)をノーコードで、Google プロダクトの力を最初からフルレバレッジできるサービスは存在していませんでした。

これは「クリエイターに特化した Shopify 」と言っても過言ではないもので、YouTube や検索という世界でトップ1,2の最強のサービスを持っている Google がこれを出すことの影響は非常に大きいと思います。

しかも、Qaya の利用は今のところ無料で設計されています。今後はどうなるかわかりませんが、利用料は徴収せず収益化を決済手数料のみに絞ることで、先行する競合他社からのリプレイスしやすい設定にしていることも、本気度が伺えます。

来たるべきNFTに備えて

販売できる商品は物理的なものでもデジタルでも構わず、1つのサイトで最大 1,000 個まで取り扱うことができるそうですが、Google は

we’re exploring ways to support creators as they experiment with other types of digital goods.

他の種類のデジタル商品にトライしているクリエイターをサポートする方法を模索しています。

https://blog.google/technology/area-120/qaya/

と書いているように、取り扱いを NFT へと拡大する可能性を示唆しています。(太字は著者による)

NFT への展開は、暗号通貨の利用拡大も見越して、Qaya の決済に使われている Google Pay の価値をより一層強化していくという宣言だと捉えてもよいかもしれません。

約半年前(2021年5月)に発表した Shopify との提携強化、そして Shop Pay との接続によって、決済における一等地をわざわざ競合に分け与えてでも商品や決済データを確保するという戦略に出た Google でしたが、その半年後に Shopify のお株を奪うようなカスタムストアフロントを出してきました。

「未来のクリエイターエコノミーにおける主役の座は自分たちである」と宣戦布告してきたなと思わせるリリースです。

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個人的には、Google は 2021 年の最後にものすごい布石を打ってきたなと感じています。Qaya の登場によって 2022年のクリエイターエコノミーをめぐる戦いはおそらく群雄割拠の様相を呈することになるでしょう。ますます今後の展開が楽しみになりました!