Eコマースが活況に。度重なる上方修正
2021年6月9日(日本時間6月10日)、eMarketerはアメリカの2021年Eコマース売上成長率の予測を、今年1月に出した13.7%から17.9%へと大幅に引き上げたと発表しました。
参考URL:
US Ecommerce Forecast Revised Upward, 18% Growth Expected in 2021 eMarketer Newsroom
2021年の小売全体の売上高は全体で7.9%増加して初めて6兆ドルを超える(6.083兆)と予測されており、Eコマースはそのうち15.3%を占める9,333億ドルに達するとのこと。これは昨年の14.0%から1.3ポイント増えることになります。
これまでの予測では、Eコマースは2024年までに小売全体の19%を超えるとされていましたが、今回の修正により2024年には20%を超えてくると予想されています。2割を超えてくるといよいよという感じがしますね。
なお、おそらく今後はアメリカだけでなく世界のEコマース売上予測も上方修正が出されるのではないかと考えられます。
現段階(2021年1月の発表)では、世界のeコマースの売上高は2022年までに5兆ドルに達するとされてきましたが、今回のアメリカの上方修正から察するに、1年前倒しした2021年(今年中!)に5兆ドルを突破するのではないかと考えられます。そうなると、小売売上高の20%をEコマースが占めるのも今年中になりそうです。
カテゴリごとの明暗。アパレルや家具が伸びている
ちなみに、Eコマースの中で最も成長率の高いカテゴリは Apparel/accessories(アパレル&アクセサリー)で、最新のレポートでは前年比28.7%増だということです。
以下は少し前(2021年2月)のデータですが、その時はアパレルは18.9%でしたので大幅に上方修正されています。徐々に外出が解禁され、必要な衣服の種類もコロナ以前からアップデートされる中で、コマースに新たな需要が集中していると思われます。
Furniture/Home Furnishings(家具)も最新の統計では前年比11.4%増(以前は12.3%増)と、大幅な伸びを継続しています。ゲームや本、家電といったすでにEC比率が5割を超えている分野を除くと、アパレルと家具はEコマースの成長率・成長額ともに2トップです。すでにEC化率が3割を超えてきたことから、Eコマース全体の成長を牽引していますね。
日本ではどうか
ここまではアメリカ(世界全体)のデータばかりなので日本の統計も知りたいところですが、外部機関の統計が日本は少ないので、やはりここは経産省の電子商取引実態調査の最新版に期待したいですね。
参考リンク:
https://www.meti.go.jp/policy/it_policy/statistics/outlook/ie_outlook.html
公表時期が4月下旬〜10月上旬と定まっていないので今年もいつ発表になるか分かりませんが、今回はかつてないほど注目されると思うので楽しみに待っていたいと思います。
ちなみに、2019年のEコマースの成長率(物販)は8%程度でしたので、コロナ禍でアメリカと日本が似たような外部環境だったと仮定すると、2020年は16〜18%くらいの成長率なのかなーと勝手に予想しています。
世界市場、日本市場、いずれも最新の統計が出ましたら更新版を記事にしますので楽しみに待ちたいと思います!