YouTubeでそのまま商品が買えるようになる?
YouTubeが特定のクリエイター(YouTuber)に向けて、動画に登場する商品にタグ付けするように依頼していると、Bloombergが報じています。(日本時間で2020年10月10日)
リンク:Google (GOOG) Wants YouTube to Become a Shopping Destination – Bloomberg
これが実現すると、タグ付けした商品とGoogle マーチャントセンターとを紐付けして、YouTubeのプラットフォーム上でそのまま購入できるようになります。
Instagramショッピングのように、動画で気になった商品がG Payでそのまま買えてしまう世界観です。
Shopifyとも連動。YouTube経済圏が強化される
YouTubeは毎分500時間以上アップロードされていると言われています。その膨大な動画コンテンツを、2020年から無料開放が始まっているマーチャントセンターと紐付けをすることによって、膨大な商品カタログに変換することがGoogleの目的だと思われます。
Unboxing(買ってみた動画)や、特定の分野に強みのあるチャンネルは広告と合わせて収益源を複線化できるようになりますので、YouTube経済圏はより強化されるでしょう。
また、G Pay については既に決済手数料の無料化が始まっており、事業会社はその他の決済プラットフォームではなく、Googleを利用するインセンティブが強化されています。エコシステムの実現に向けてアプローチにはかなり積極的です。
動画でのアイテム販売で Shopifyとの統合もテストしている模様で、YouTube→Shopifyのシームレスな接続にも期待がかかります。
動画は商品インデックスの動的な拡張
もし、ある程度動画でタグ付けすることが当たり前の世界になってきたとすると、商品データを持つメーカー/ブランド側にとって、マーチャントセンターは単なる無料ショッピング広告(Googleに掲載)用の外付け商品データベースとしてではなく、自社の商品インデックスの積極的な拡張(しかも限りなく無料)として Google を捉えるようになると思われます。
これは、ユニーク(一意)の商品情報を Google に自動的にアップロードしておく理由付けとしてはかなり大きなものになりそうです。Amazonへの対抗策として、Googleプロパティの総力戦になってきた感があります。
なお、一意の商品データを変動する価格や在庫情報として外部と連携するには、今までであればそれなりのシステム投資が必要でした。
一方で、現在は Shopify をはじめとしたヘッドレスコマースプラットフォームを通じて疎結合が可能になっており、通常の販売であればエンドユーザーは開発を意識しなくて済むようになっています。
まだ正式公開にはなっていませんが、Eコマースの集客を占う大きなニュースだと思います!