Shop Pay が あらゆる場所で利用可能に
2021年9月8日(日本時間:9月9日)、Shopify は 自社のチェックアウトシステムである Shop Pay を Shopify 以外でも利用しやすくするアップデートを発表しました。
これにより、Shopify のマーチャントは Shop Pay のコンポーネントを利用してウェブ上のあらゆる場所に商品(もしくはバリエーション)に直接紐付けられたチェックアウトリンクを設置できるほか、QRコード化することでオフラインの店舗などでも活用することができます。
これは、2021年の6月に発表された Shop Pay と Facebook ・ Google との連携を敷衍する、Shopify にとって重要なリリースです。どんな場所でもストア化するという大きなマイルストーンの第一歩であり、かつ Shop Pay を コマース決済上の有力な選択肢に引き上げるために欠かせない布石だと言えるのではないでしょうか。
参考記事
Shop Pay のチェックアウトリンクの設置方法
Shop Pay のチェックアウトリンクはグローバルで適用されていますので、初期設定をすればどの Shopify ストアでも利用可能です。
以下で、開始までの順序をご説明します。
当たり前ですが、Shop Pay を有効化しないと使えませんので、万が一 Shop Pay を使っていない場合には以下の設定をします。
- 管理画面から、[設定] > [決済] に移動
- [Shopify Payments] のセクションで、[管理する] をクリック
- [Shop Pay] セクションで、[Shop Pay] をチェック
Shopify は、自社ストアも外部SNS上のカタログ販売(Instagram Shopなど)も、それぞれ1つのチャネルという概念で考えます。
同様に、外部のメディアに貼る Shop Pay ボタンもチャネルとして扱いますので、チェックアウトリンク作成のために「購入ボタン」チャネルをインストールします。設定手順は以下で、インストールは無料です。
- 管理画面の左メニューで、「販売チャネル」の横にある [+] ボタンをクリック
- [販売チャネルを追加] の画面で [購入ボタン] をクリック
- 詳細説明の下にある [チャネルを追加] をクリック
ここまでできたら、いよいよチェックアウトリンクの作成です。基本は商品管理から各商品に行ってリンクを作成するだけなのでかんたんです。
手順は以下になります。
- 左メニューの商品管理から [商品] に移動し、チェックアウトリンクを作成する商品を選択
- 商品の詳細ページ右上の [その他の操作] ドロップダウンメニューをクリック
- [Create checkout link] をクリック
- 販売チャネルの購入ボタン作成画面に移動するので、バリエーションを選択(※)
- [リンクをコピーする] をクリック
※ デフォルトではチェックアウトリンクには1つのバリエーションが選択されています。1SKU / 1リンク か、複数のバリエーションや数量を選択することもできます。ケースによって使い分けてください
展示商品に1つ1つQRコードを貼り付ける、といったユースケースの場合は1SKUごとに、モデル着用の商品をSNSでエンベッドする場合は複数のバリエーションに、といった使い方が想定できますね。
チェックアウトリンクのカスタマイズ
チェックアウトリンクはカスタマイズが可能ですので、直接決済画面に誘導したり、数量の変更やそのリンクだけに最初からクーポンコードを設置したりできます。
例:クーポンコードを追加する場合
たとえば、チェックアウトに割引のクーポンコードを追加するには、チェックアウトリンクの最後にdiscount=CODE
を追加すれば OK です。
具体的には、仮に30offsale
というクーポンコードを発行している場合、リンクの最後にdiscount=30offsale
を追加します。クーポンパラメータ付きのリンクを経由してチェックアウトされた決済にのみ、対象の割引が適用される仕組みです。
上記の場合、以下のような感じのリンクになると思います。
https://hogehoge.myshopify.com/cart/1234567890abcd:1?payment=shop_pay&discount=30offsale
決済プラットフォームはますます群雄割拠へ
冒頭でも書きましたが、今回の Shop Pay の拡大は、2021年の6月に発表された Shop Pay と Facebook ・ Google との連携の延長で、より一層 Shopify の決済プラットフォームとしての可能性を引き上げるものです。
2021年9月2日にも、Facebook Pay の Shopify マーチャントへの適用がアナウンスされていますが、巨大な SNS や検索エンジンへ決済を拡大するのみならず、相互に両者の出口を活用し続けるパートナーシップを強化することで、Amazon とはまた違った経済圏を獲得していくことになるでしょう。
それぞれの巨人同士、お互いのリソースをうまく利用しあいながら決済プラットフォームでは競合関係にある、複雑な Frienemy のような関係性が浮かび上がってくる一方で、何となくですが、いずれかが覇権を取るというよりも、それぞれの利便性を活かしながら共存していくような未来も見えます。(決済はB2Cだけではないですしね)
いずれにせよ、チェックアウトリンク(Shop Pay の外部化)はマーチャントにとって決済の可能性を広げるグッドニュースです。引き続き最新情報があればピックアップしていきたいと思います!