購入後のフォローアップメールは、ECの成長にとって非常に重要な施策です。購入した商品の情報や使い方、ブランドストーリーを伝えることで、顧客体験の向上が期待できます。さらに、次回使えるクーポンや新商品の情報は、顧客がストアに再訪問するきっかけを与え、リピート率の向上に効果的です。
より効果的なフォローアップメールを実現するためには、初めて購入した新規顧客と複数回購入している既存顧客のそれぞれに最適化されたコミュニケーションが不可欠です。特に、1回目から2回目の購入はハードルが高いため、新規顧客へのフォローアップメールでどのような文面や特典を提供するかが鍵となります。
そこで、今回はShopifyにて、Klaviyoを使って新規顧客と既存顧客のフォローアップメールを出し分ける方法をご紹介します。
フォローアップメールの目的と実施内容について
今回、フォローアップメールの目的と実施内容を、以下のように設定しました。
フォローアップメールの目的
- 感謝の気持ちを伝えることで、ブランドへの信頼感と顧客満足度を高める
- 新規顧客向けに割引クーポンを添え、リピート購入のきっかけを作る
- 既存顧客へは特別なお知らせを送付し、特別感を演出しながら再購入を促す
実施内容
購入から7日後に、下記のフォローアップメールを自動送信します。
- 新規購入者向け…初めてのご購入への感謝を伝えるとともに、「3,000円以上のお買い物で500円オフになる割引クーポン」を同封
- 既存顧客向け…日頃のご愛顧への感謝を伝えるとともに、新商品をご紹介し、「新商品を10%割引で購入できるクーポン」を同封
また、今回はメールツールとして、Klaviyoを使用しました。Klaviyoは、EC向けのメール・SMSマーケティングを自動化できるプラットフォームです。顧客の行動データを活用したパーソナライズが可能で、Shopifyとの連携もスムーズなため、顧客とのコミュニケーションを自動化するのに最適なツールとなっています。
Klaviyo:https://apps.shopify.com/klaviyo-email-marketing?locale=ja
設定方法
それでは、ShopifyとKlaviyoの設定手順を説明します。以下の手順に沿って進めます。
- クーポンの作成
- メールのテンプレート作成
- メール配信設定
- テスト実行
前提として、KlaviyoとShopifyは連携済みであることとします。
1. クーポンの作成
Shopifyの管理画面でクーポンを発行します。
■ 新規購入者向け「500円割引クーポン」
サイドメニューの「ディスカウント」→「ディスカウントを作成」をクリックし、「注文の割引金額」を選択します。クーポンコードは「ランダムコードを生成」を選びます。
ディスカウント価格は定額500円、最低購入額を3000円とし、お客様1人につき1回の使用に制限しておきます。

■既存顧客向け「新商品を10%割引で購入できるクーポン」
既存顧客向けは、サイドメニューの「ディスカウント」→「ディスカウントを作成」をクリックし、こちらは「商品の割引金額」を選択します。クーポンコードは先ほどと同じく「ランダムコードを生成」選び、ディスカウント価格は割引率10%、割引対象を「特定の商品」として新商品を選択します。クーポンの有効期限も設定しておくことにします。

どちらの場合も、作成したクーポンコードをメール本文に記載するだけでもよいのですが、顧客の目を引くためにクーポン画像を作成することにします。

2. メールのテンプレート作成
Klaviyoの「Content」> 「Templates」から、新規顧客用と既存顧客用の2種類のメールテンプレートを作成します。詳細な設定方法はKlaviyo公式ドキュメントを参照してください。

パーソナライゼーションタグを活用することで、顧客ごとにメール本文をカスタマイズできます。パーソナライゼーションタグについても、公式ドキュメントを参照してください。

3. メールの配信設定
Klaviyoの「Flows」を利用し、フォローアップメールを自動配信するフローを作成します。
1.Klaviyoにログインし、「Flows」 → 「Create flow」をクリック。

2. サンキューメール用フロー(Customer Thank You)を選択。(「Build your own」で独自に作成することも可能です)

3. 各アクションの内容を確認
サンキューメール用テンプレートのフローは以下のようになっています。フローのアクションを確認し、必要に応じて調整します。1つずつ内容を確認していきます。

◆ Trigger
このフローが開始されるトリガーです。商品が注文されたら実行されるようにしたいので、「Placed Order」になっていればOKです。

◆ Conditional split
メール送信対象を、Shopifyでメールマーケティングに同意した顧客に絞りたいため、Triggerの下にConditional split を追加してください。

◆ Timing(Time delay)
メール送信のタイミングは、Timing(Time delay)で調整します。
何日後、何時間後、何分後の指定だけでなく、決まった時間・曜日の指定も一緒に設定することができます。
(これは翌日の午前9:00に送信する場合の設定です。詳細はこちらをご参照ください。)

◆ Conditional split
顧客が注文した回数「Placed order」で、新規顧客か既存顧客を分岐しています。注文回数が1回かどうかで判断しているので、yesが新規顧客、noが既存顧客となります。

新規顧客用と既存顧客のそれぞれに、Email送信アクションを設定します。メール件名やテンプレートを設定していきます。

フローが完成しました。「Update status」をクリックし、Flow statusを「Live」にして保存します。

4. テスト実行
確認のため、Shopifyで新規ユーザ登録し、テスト購入を行います。初回購入時と2回目購入時のそれぞれで、設定したテンプレートが正しく適用され、パーソナライズされたメールが届くことを確認しました。


まとめ
Klaviyoを使って、初回購入の顧客へ割引クーポンを配信する方法を紹介しました。
Klaviyoを活用すれば、フォローアップメールの自動化だけでなく、カゴ落ちリマインドや誕生日クーポンの配信も簡単に行え、リピート購入の促進やエンゲージメント向上に役立てることができます。
ECサイト運営者のみなさんも、ぜひお試しいただければ幸いです。