Pinterestがショッピング広告の自動入札をはじめとしたコマースツール一式を更新。〜ソーシャルコマースでさらなる存在感

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Pinterest のコマース向け大型アップデート

2020年10月27日(日本時間:10月28日)、Pinterest はブランドや小売企業向けに新たなコマース機能をリリースしました。

リリースされた機能は大きく以下の3つに分かれています。順番に紹介します。

  1. ショップの強化
  2. ショッピングの自動入札
  3. コンバージョン分析の充実

1.ショップの強化

Pinterest のショップ設定に4つの機能が導入されています。日本ではまだ使えないものもありますが、順次展開してくると思われます。

カタログのアップデート:コマース事業者の作業がシンプルになるよう、直感的なインターフェースに刷新されました。


今回のアップデートにより、カタログのアップロード、ショッピング広告の有効化、カタログフィードの取得の高速化、コレクション用のヒーローイメージ動画、カタログとコレクションの統合などが可能になっています。

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コレクションとカタログの統合:カタログとコレクションは統合され、コレクションをショッピング広告用のフォーマットとして利用できるようになったようです。

統合により、画像アセットと商品グループを選択して複数の画像からなる広告ユニットが作成できるようになっています。ヒーローイメージに動画も使えるようになっていますので、視覚的なアピール度は以前の広告フォーマットよりも上がっていますね。

先行して実施したテストでは、コレクションを使用した広告主の平均購入点数が 6%~18% の間で上昇したとのこと。広告で選択肢を見せることでクロスセル効果が期待できるようです。

販売者のショッププロフィール:こちらはまだアメリカとイギリスのみの展開ですが、ショッププロフィールの画面が刷新され、ショップタブをカスタムしてカテゴリ別の注目商品をピックアップしたり、おすすめ商品を動的に生成するなどして、ユーザーにアピールすることが可能なっています。

また、ユーザーが Pinterest で購入目的の検索をした際に、商品カテゴリにもとづいた販売者がレコメンドされるようになります。

新商品タグ付け機能:こちらもアメリカのみですが、商品タグ付けツールのベータ版が公開されています。商品の利用シーンの画像にタグ付けでき、ユーザーはそのままタグ付けされた商品を購入できるようになります。

pinterest-tagging

2.ショッピングの自動入札

広告キャンペーン内で自動入札の設定が可能になりました。

自動入札は他の運用型広告プラットフォームで使われている CPA や ROAS での目標入札単価設定ではなく、広告主の入札単価を Pinterest 側が自動的に調整する仕様になっています。いわゆるおまかせ機能ですね。

ベータテストでは、自動入札を採用した広告主のコンバージョン数が28%増加(クリック数最適化の場合は29%増)だったとのこと。

完全委任型の入札モデルをどう感じるかは人それぞれだと思いますが、インプットがカタログの場合は運用でいじれるレバーが少ないので、「人間が理解できるUIや機能の開発よりも実益を優先している」と考えれば、至極真っ当なリリースだと感じました。

3.コンバージョン分析の充実

自動化によってブラックボックスになるぶん説明責任が問われるため、コンバージョン分析は充実しています。

まず、有料(広告)と無料(オーガニック)の両方のアクティビティが顧客をどのように購入につながっているかを確認するダッシュボードが搭載されています。

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 ユーザーが購入に至るまでのプロセスを可視化し、目標到達までに流れを確認できるほか、複数のアトリビューションモデルで比較することも可能になっているようです。


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以上が Pinterest からの発表の要約ですが、最後にとてもいいことが書いてあったのでご紹介します。

“These are just the latest updates in our growing suite of shopping solutions, all designed to help brands inspire more sales, while creating a richer experience that inspires customers to shop—not just to buy. “

”これらは、成長をし続けるショッピングソリューション一式の最新アップデートですが、これらの機能のすべては、ブランドの売上向上を目指すと同時に、ユーザーがただモノを買うだけでなく、買い物を通じて豊かな体験を生み出せるように設計されています。”

Pinterest はよく「Inspiration(インスピレーション)」という言葉を使いますが、ショッピング体験がインスピレーションに満ちていればきっと楽しい、という哲学をブラさないところに好感が持てますね。

同時期にTikTokが参入したことでますます群雄割拠が続くソーシャルコマース、引き続き注目です!